で、PySpaって、参加経験がある人にとっては「ああ、楽しいよね。アレ」という存在であり、また、参加したことの無い人にとっては「アレって、いったい何やってるんだ?」という、ものすごく「よくわからない」イベントなわけです。
当時はPython hack-a-thon、今はPython Developers Festaと呼ばれるPythonの名を冠している割には全然Pythonじゃないイベントに顔を出し始めて、そこでPySpaというなにやら怪しげ/楽しそうなイベントがあるという情報をキャッチしたのが3年くらい前。そして過去3回ほどPySpaに参加してるわけですが、妻子持ちのイイ年ぶっこいたオッサンが、空気も読まずに連続参加するには、それなりの理由があるわけです。
ワシがいま居る会社は、ネット広告の配信をやっていて、エンジニアは広告配信とその関連システムをひたすら作るのがミッションなわけです。自社サービスのためのシステム開発なので、リリースはあっても納品とかありません。基本的にエンドレスでひたすらマイルストーンを目指して、それを通過していくわけです。広告技術の進歩は早くて、それをキャッチアップすべく、どんどん前に進んでいかざるを得ないので、ネット広告というドメインでの技術力はどんどんUPしていきます。とにかく目の前の課題に集中しなくちゃやっていけないので、それ以外の部分がどうにも疎かになりがちです。ようするに「今、コレがアツい!」の波に乗り遅れるどころか、気づかずにスルーとか、平気で起こっちゃう。
この文章を読んでいる多くの方が、まだお若いのだと思うのですが、アラフォーともなってくると、それなりの功夫(kung-fu)も積んできていて、よくあるパターンな部分は、その経験で処理できちゃうという場面が多くなってきます。つまり新しい事を積極的に学ばなくても、日常には不便しなくなってくる。さらに20代の頃のあの2徹、3徹をものともしない体力、新しい概念とかを苦もなく吸収できていた脳力もだんだんと………。夢も希望も無い話なんですが、自分が実際にその年に到達してみる
とよく分かるものです。
で、こういう状況を打破する、最も簡単かつ、効果的な方法。「外に出る」です。社内で蛸壺に篭っていても、行き着く先はともすれば尸解仙。とにかく雑多な話題が多く飛び出す場に自分を置くことが大切になってきます。そして面白そうなトピックを集めて、実際に自分であれこれ弄り回すこと。
結婚して、子供が生まれて、社内でもそれなりのポジションになっていってと、まぁ昭和的なストーリーを地で行っちゃうと、エンジニアにとって最も重要な「自分のための時間投資」がどんどんできなくなってきます。休日に技術書を読んで写経してみる。こんな当たり前にできていたことが、子供の「お父さん遊んで〜」に阻まれるのです。まぁピカピカ&カチンコチン泥団子を作ったりして一緒に楽しく遊んじゃうわけですが。ならば、その少ない自分のために使える時間の密度を上げる必要があります。
世の中には多くの「勉強会」が開催されています。専門的なものや、明日の業務に即使える的なものもあるでしょう。そのような中、できる限り参加しようと決めているのは、Python Developers Festa と PySpaという2つです。この選択には、これらのイベントの「雑食性」という大きな理由があります。
Python Developers Festaに参加したことがある方なら、分かると思うのですが、このイベントには普通の「勉強会」にありがちな「今回はみんなでこれをやりましょう」的な縛りがものすごく希薄で、それはもう、参加者それぞれが思い思いに過ごす場として機能しています。ルネッサンスから近代にかけての宮廷のサロン状態とでもいいましょうか。とにかくカバーできる話題の広さといったら、素晴らしいの一言。
このネットの時代に、せっかく沢山の人が集まるメリットは何かということを考える時、この雑多感が非常に重要なものに思えるのです。1つ2つの小さなテーマにまとまるのなら、オンラインの方がよっぽど効率がいいでしょう。そしてPySpaはPyFesの濃縮度を更にUPした環境といえば、間違いは無いはずです。
実はPySpa参加者は妻帯者が多いのです。「熱海」の「温泉旅館」で「3日間」という、これはもう「テッキーな野郎共とモヒモヒしに行くだけだよ〜」という言葉が完全に意味をなさず「ぜってー浮気だろ」なシチュエーションにも関わらず、困難を極めるであろうYAuthを取得して皆が芳泉閣にやってくるのです。これだけで、このPySpaというイベントの持つ引力がどれほどのものかを十分にあらわしているはずです。
そうそう。PySpaとかPyFesとか、なんか凄そうな人たちばっかりで、(俺|私)ごときが参加しても大丈夫なのだろうかと、尻込みしているそこの貴方へ。
自分が大したことでは無いと思っていることが、他の人にとっては魔法であることは、よくあることである「お客さん」にならずに「参加者」になろう。たまにマサカリが飛んでくることがあるかもしれないけれど、それは貴方の人格をdisっているわけじゃない。色々なバックグラウンドを持つ人と色々な話をしよう。自分の持っているものを吐き出した人の所にこそ、色々なものが集まってきて、それはきっと貴方の大切な財産になるだろうから。
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